「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
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[提灯レポート]2014/02/20
昨年の秋、東京の浅草寺さんの雷門の大提灯を十年振りに製作させていただくことになりました。
十年前も弊社で作らせていただいておりますが、前回の製作は私が高橋提灯に入社する一年前のことだったのでお目にかかれませんでした。
後に雷門の大提灯は十年に一度新調されていると聞いて、もしあと一年早く入社していたら見れたかも...と残念に思っていました。
前回ぎりぎり見れなかったということもあり、今回初めて雷門大提灯の製作現場に立ち会えるとなって、やっと見れるなぁと長かったなぁと少し感慨深いものがありました。
雷門の大提灯というと東京浅草のシンボルとしてとても有名な提灯です。たびたびテレビにも映されますし、国内だけにとどまらず世界的にも知れ渡っている提灯なので、普段の仕事よりもプレッシャーを感じたというのが正直なところです。
私がした主な作業は、雷門や後ろの文字が書かれたあとに、全体を赤で塗ることでした。
先輩が担当された文字ほどの難しさはないものの、見映えよく塗りあげるところには特に気を配りました。それと提灯の上の方を塗るときは別の神経も使って忙しかったです。
大きい脚立の一番上に登ってやっと届くくらいの高さ(提灯の高さは3.9m)での作業だったので、腰が引けてひやひやしながら頑張って塗りました。
普段の仕事と違うところは、もう一つありました。やっぱりとても有名な提灯で十年に一度の製作となるので、新聞やテレビの取材、見学の方もすごく大勢いらっしゃいました。カメラを向けられて作業することも多く、慣れない緊張感のなかでの貴重な体験となりました。
全社を上げて一丸となり、技を結集させてようやく仕上がったときは喜びも一入でした。出荷のトラックを社員全員で見送るときは誇らしい気持ちと寂しい気持ちでした。このあと、浅草寺さんの現場で取り付け作業にも同行させてもらうのですが、またいずれ書きたいと思います。
今回初めて雷門大提灯の大仕事に携わることができて、大変良い経験となりました。九年待った甲斐がありました。この経験を次に繋げていけるよう日々頑張りたいと思います。
製作部 T