「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。
[仕事場だより]2012/12/13
2012年。
日々様々な事があった今年一年も、早12月中旬に入り、今振り返ると、新年の仕事始めの日から今日までが、本当にあっという間に過ぎ去ったように感じます。
今年もたくさんの提灯に、たくさんの紋入れをさせて頂きました。
高張提灯、丸型提灯、小田原提灯、切長提灯、弓張提灯、ぶらり提灯、馬乗提灯、・・・等々
季節の提灯。
端午の節句・五月人形用の陣屋提灯、お盆に飾られる数々の盆提灯・・・
それらの提灯に入れた紋も、また様々。
紋の中には何度も繰返し登場するものもあれば、その時一度きりという紋もあります。
お寺にお納めする提灯には各宗派の御紋が入る場合が多く、こうした宗紋は、何度も紋入れをさせて頂く代表的なものになります。
また、紋の中には地域によって特徴的なものもあり、ある地域からは数多くのご注文を頂くのに、その他の地域からは全く無いという紋もあります。
そのような地域色の強い紋の中には、多くのバリエーションを持つものもあります。
同じ種類の紋で"ほぼ同じだけれど、どこか少しずつ違う"という紋が数多くあるのです。
同じ地域や集落内で、他家と区別するために意図的に変化をつけられたのか、それとも、各家で代々受け継がれてゆく中、手書きで写すというような過程を繰返すうちに、いつの間にか変化していった、ということもあるかもしれません。
そうした多くのバリエーションがある紋のご注文を頂いた場合、なかなか一つの型に統一する訳にもいかず、同じ種類であっても一点一点別の紋として紋入れの作業をさせて頂くことになります。
また、ご注文を頂く際に紋の見本や古い提灯の見本をお預かりして、"見本通りに"というご指定で新しい提灯を作ることがよくあります。
その場合も、その見本に合わせて一点物の紋を作ってゆきます。
日頃、お客様にご注文内容の確認させて頂く際や、紋入れの作業ををする際に、紋の見本帖"紋帖"を使用します。
紋帖は多種多様な紋を網羅するように編集されていますが、その中には収まりきらない数多くの紋があります。
紋帖には載っていない紋の色々。
それぞれの場所で受け継がれてきた独特な紋、まだ見たことのない色々な紋と、提灯を通して出会えることをこれからも楽しみにしています。
製作部 MY