提灯ぶらり探訪

提灯屋は大提灯や一般提灯を、製作提供するだけではなく、
製作させて頂いた提灯を、神社やお寺に吊下げる事もたまにはあります。

東京浅草の浅草寺や西国巡礼札所の大提灯などは、大工さんやとび職さん達の手を借りて作業を進めますが、一般的な献燈提灯などの数物などは、若手の職人さん達といっしょに、吊下げ作業を行う事があります。

京都の北、修学院の山の中に比叡山延暦寺の別院・赤山禅院があります。
比叡山と共に都の鬼門を守る役割があり、商売繁盛に御利益があるとされ、紅葉の美しさも有名で、屋根には厄除けの猿が睨みを利かし、臨戦態勢の狛犬など風水的仕掛けが、いろいろとみられる有名なところにお世話になっています。
紅葉季節前には、提灯吊下げ作業が今年も行われます。
石畳や飛石の間に脚立をなんとか立て、二人一組になり４から５組が一年前に取り付けた献燈赤提灯の入替え作業が始まります。
提灯の前面に書かれている献燈者の名前を見えやすい様に配置を整えての作業はなかなかのもので、二日間の作業で約３００燈の献燈提灯を入れかえます。
入れかわった真新しい赤い献燈提灯は赤山禅院の美しい紅葉の景色と、一体化したかの様に錯覚させられます。

今年の赤山禅院の紅葉祭りは毎年より少し遅い１１月中頃みたいです。