「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。
[仕事場だより]2012/11/15
今回は大変ミニマムなお話です。
毎日の天候や季節の移り変りは些細なことから感じられるものですが、例えば寒くなってきたこのごろを、私は自分の手の具合でよく感じます。
(イメージ画像)
私は小さい頃から冬場には手が荒れる性質で、この平成の世に、しもやけあかぎれを毎年しています。といっても元来カサカサの手で、夏場でも素手で紙をシャッシャッ、とめくったりはできません。
これは全く母親と同じ手で、同じ二親を持ちながら父親とそっくりのキレイな手を持つ姉はあまり起こらないようです。
あかぎれは特に天候に敏感で、少し冷たい乾いた風が吹く日はテキメンです。
ハンドクリーム等で養生しまくれば良さそうなものですが、考えてみれば私が一日中手にしているのは竹に和紙の提灯で、手の脂を取られないわけはないのでした。絵具や墨を使うとなれば水を使わないわけにもいかず、ますます条件は揃うのです。
和紙は湿気に敏感です。まるで息をしているかのように延び縮みします。
作業する時には、便宜上提灯につっぱり棒をしますが、その延び具合と自分の手の荒れ具合で毎日の違いがわかります。
しかしハンドクリームによる養生も、昔、着物の仕事をしていたときは禁止でした。作業している白生地の間はわからないのですが、ハンドクリームのついた手で触ったところには防染の働きが効いて、地色を染め上げてみると生地の端にビシバシ私の指紋がついている・・・ということがおこるのです。
ということで幸い今は多少の養生をしながら毎日作業しています。
これも"笑けるほどの手仕事"なところかなぁ
と思います。
製作部 A