「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。
[提灯レポート]2012/04/10
先日、夜遅くに宇治川に沿って走る「宇治川ライン」という山道を走っていました。
この道は舗装されていて平坦ですが、周りの山は結構深くて、たまに鹿が出てきたりもします。昼間は割りと車も走っていて、交通量も多いのですが、さすがに、この時間にになると、人っ子一人見当たりません。(逆に人がいたら怖い(笑))
そんな時ふと思いました。
「今は、車のライトで明るいけど、このライトを消したら一体どの位暗いのだろう?」と
何故だか、こんなことを思いつき、車を脇に止めて、車のライトを消してみることにしました。
エンジンを止めてライトOFF!・・・
・・・・
「くっっらー!こっわー!」
まるで墨汁の中に頭を突っ込んだかのような暗さです。
普段街中で「夜道が暗い」とかいっているそんなレベルではありません。
すぐ、「そこ」が見えないのです!
街灯も家の明かりも、車のライトも全く無い山道は恐ろしく暗いのです。
しかし、よく考えてみれば江戸時代とかの夜ってこんな感じだったのではないでしょうか。
暗闇の中、電灯が無く、火だけに頼っていた時代。そんな世界で「火を灯す」ということは、今では想像もつかないほど、人々に安心感をもたらしたのではないでしょうか。
しかし現代では電気のおかげで、日本上空の衛星写真見れば、光のシルエットで日本の形がくっきり分るくらいの明るさです。
照明器具としての役割は電気に完全に奪われてしまった提灯が、今も生き残っているのというのは、奇跡的なことかもしれません。
情緒や雰囲気を大切にする日本人だからこそ、今でも使われているのでしょうか。
いえ、もしかしたら電機の無い真っ暗な時代、提灯に灯りをともした時の「喜び」や「安心感」があまりにも強くて、提灯の灯りを見れば「ほっ。。」とするようなDNAが日本人の血に刻まれ受け継がれてきたのでは・・・?!。なんて考えてしましました。
が、しかし!ライトを消し、暗闇を確認したものの、今現在の状況では迷うことなく文明の利器、電気です!
私は再び、車のヘッドライトをONにして真っ暗な宇治川ラインを後にしたのでした。
D.K