「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。
[仕事場だより]2011/12/14
私たちの会社には、修学旅行の生徒さん達が、提灯の製造工程を見学したり体験されることがあります。その中で良く聞かれることが「提灯を作っていて、良かった事は何ですか?」という質問です。
この質問をされるといつも思い出す出来事があります。
ある日、友人達ととある居酒屋にたまたま入った時の事です。お店の入口にやや大きめの提灯が飾ってありました。居酒屋さんでは提灯を看板に使われることが多く、よく見かける光景です。でも、なにか気になる見覚えが・・・。
「あ!これ、俺の作った提灯やん!」
自分が作った提灯との偶然の再会は感動します。その後の酒の席では「この提灯はなぁー」と友人達にあーやこーや自慢したのは言うまでもありません(笑)。
「提灯作っていて良かったー!」と思える時間でした。提灯屋ならではの喜びですね。
ただこの喜びを味わうには一つの条件があります、それは"偶然に出会う"ということです。
事前に自分の作った提灯が飾られている場所など知って、見に行くと、私の場合どうしても「仕事の目」になってしまい、汚れている部分はないか、紙がしっかり張れているかなど、細かいところばかりに意識が集中され、素直に「再会」を喜ぶというのとは、ちょっと違ってきてしまうのです。
とはいうものの、この偶然の出会いは実はめったにありません。私たちの作る提灯の注文は、日本全国から受注しますし(時には海外へ提灯を送ることもあります)、全国各地にちらばっています。
また、他の提灯屋さんも数多くの提灯を作っておられます。たくさん存在している提灯のなかで、私のつくった提灯はほんの、ほんの一部ですから。
でもだからこそ、偶然出会えた時は、素直に嬉しく「やった!」と思えるのでしょうね。そしてまたこの気持ちを味わってみたいと思います。
僕はこの提灯屋ならではの喜びを大事にしていきたいと思います。
製作部D.K