「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。
[仕事場だより]2011/11/25
日頃、私がしている仕事は、提灯に文字を書き入れたり、家紋や図柄を描いたりすることです。文字というと、例えば、○○寺や○○神社というような寺社名や、個人や会社のお名前であったり、年月日だったりと注文に応じていろいろ書いています。
家紋や図柄もそれぞれのお家や地域によって違ってきます。なかには特殊なものもあって、本当に種類が多いです。 結構細かな作業もあるので、神経を使ってしんどい面もあるのですが、苦労して完成させたときほど、喜びもひとしおです。
そんな日々を送って7年半経ち・・・
先日はじめて出張に行かせてもらうことになりました。今まで工場の中での作業中心の仕事をしていた私にとって、すごく新鮮なものでした。
普段、提灯と向かいあって仕事をしていますが、実際にお客さんのところに出向いて顔をあわせてお話するということがほとんどなかったので、かなりガチガチになっていたと思います。
名刺交換自体かれこれ十数年遠ざかっていたので、タイミングを逃してしまったこともしばしば。
あるお客さんのところでは、最初に名刺を渡せないまま話が進んでしまい、もう話も終わろうかというときになって、
「申し遅れましてスミマセン!」と慌てて渡す始末。
ひどいときは、一度お客さんのところを出てから、名刺だけを渡しに戻ったりしたこともありました。鈍くさいことをして、同行の営業の先輩方の足を引っ張っていたかもしれません。
すみません・・・
こんな感じで少しほろ苦い出張デビューになりました。
しかし今回の出張で得たこともありました。工場の中での作業では、なかなかわからない「お客さんの生の声」を聞くことができたことです。
「ああして欲しい、ここはこのように」といった要望も聞けました。文字を褒めて頂いたときは、頑張って書いてよかったなぁと単純に嬉しかったです。もちろんお叱りを受けたこともありました。それは今後の反省・改善すべき点として真摯に受けとめて努力していきたいです。
失敗もありましたが、なかなかできない貴重な経験ばかりで、これからの製作活動に活かしていけたらと思います。
製作部 田中Y