「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。
[仕事場だより]2011/11/17
寒さが増してきた今週。
これからおいしい食べ物が盛りだくさん。
焼き芋、銀杏、柿に牡蠣・・・。
なのに"親知らず"を抜き違和感が残り味覚異常の私にはしばらくお預けです。
そんな私は製作室で提灯の文字書きと絵付けを担当しています。
一日の仕事の中で最も気を遣うのは、朝一番にする
「その日に使う墨の調子を見る」事です。
墨は温度や天候によって毎日状態が違うので、色々工夫(先輩にも助言を求めたり)して調整します。
この出来具合で一日の作業の効率が左右されるくらい大切な事なのです。
もちろんその後も時間が経つと水分は蒸発するので水の補給はかかせません。
先週の日曜日、宇治市で行われたあるイベントで、書道家の武田双雲さんの講演を聞く機会に恵まれました。
その中でこんなお話が聞けました。
「作品の良し悪しは見る人がきめるもので、自分では全くわからないのですよ。」
「書道家は遠い昔にえらいお坊さんが書いた書でも、あらゆるテクニックを使って本物そっくりに書き写すことができますが、作者の"思い"まではだれにも写し込む事は出来ません。」
我々がお作りする提灯は、立派な芸術品や高価な伝統工芸品でもありません。
工業製品の一つだと思います。書き手が変わっても品質が変わる事のないようにすること、又時代に合ったお客様のご要望にお応え出来るように日々勉強をして改良をつづけていくことが大切であり、そのことがたくさんの方にお選びいただき、満足していただける事につながると信じております。
当社の手作りにこだわった温かみのある提灯を、思いを込めてお届します。
製作室 K