提灯探訪ブログ

提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。

[仕事場だより]2020/05/11

白い雷門

先日(4月17日)、コロナ禍の中、無事浅草寺に「雷門」の提灯を納品する事ができました。


そこで今回は、普段あまりご紹介できない「雷門」の製作過程の写真を上げました。
赤く塗り上げる前の、文字だけが入った状態の「雷門」です。

雷門白.jpeg

「雷門」に限らず赤い提灯について、よくお客様からお尋ね頂くのは、赤い紙(和紙)を貼っているのか?という質問です。

もちろん予め赤く染めた和紙を先に貼った上に、文字を書いた方が効率も良さそうですが、そうしてしまうと和紙が本来持っている柔軟性や吸水性が損なわれ、硬化してしまいます。

そうすると、丸い提灯の型に和紙が上手く沿わなかったり、糊が乗らず接着力が落ちてしまうのです。

ですから基本的に提灯には、白い和紙で張り上がった物に墨や黒い塗料で文字を描いてから、そこを避けて赤い塗料で塗り上げていきます。
(看板等で多く使用されるビニール製の提灯には赤い生地の物もあるので、それには黒い文字を入れた後に、文字の縁を白い塗料で括る方法もあります。)

本来なら弊社の職人も吊り下げ作業には立ち合わせて頂くのですが、残念ながら昨今の状況を鑑みて、この度は見合わせる次第となりました。

一日も早くこの騒ぎが収まって、以前の様な賑やかな浅草界隈が戻ることを切に願って筆を置きます
ほな〜!

KH