「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。
[提灯豆知識]2020/04/21
提灯ブログを再開します。
毎日仕事に追われていることもありますが、このブログを書く事で、日々取り扱っている
「提灯」を少し違う角度で見る機会になればと思っています。
では、久しぶりのお話をしていきましょう。
「ちょうちん」「CHO-CHIN」
これって何語に聞こえるでしょうか、
日本語?ホントに?
今回は提灯の読み方について少し考えましょう。
「提灯」を普通の日本語読みをするとどう読めますか?
通常の音読みにすれば「ていとう」が一番すんなり読める感じですね。
弊社に掛かってくる営業電話の方々の多くの方の第一声が
「タカハシ テイトウ さんですか?」です。
確かにそうなのです。普通の日本語の「音読み」ではそう読むのです。
では「音読み」ってなあに?
漢字が中国から日本に伝わった際、文字の読み方も伝来しました。
この読み方が「音読み」なのです。
音読みには主に3種類があります。
■呉音(ゴオン)・・・主に百済人によつて伝えられた読み方。
例)御利益(ゴリヤク) 男女(ナンニョ)
■漢音(カオン)・・・奈良、平安時代に伝えられた読み方。
例)利益(リエキ) 男女(ダンジョ)
■唐音(トウオン)・・・主に鎌倉時代に
曹洞宗、臨済宗の僧侶に伝えられた読み方。
例)和尚(オショウ) 椅子(イス) 焼売(シュウマイ)
行脚(アンギャ) 提灯(チョウチン)
「呉音」と「漢音」は文字一つ一つに音が合いますが
三番目の「唐音」だけ漢字と音が合わないように感じませんか?
この「唐音」こそが「ちょうちん」のおかしな読み方の謎の正体です。
ここで、提灯の歴史を少し紐解いてみましょう。
提灯は鎌倉時代に曹洞宗と臨済宗の僧侶によって、中国から日本に伝えられた生活用具です。
当時は一般人が使うのではなく僧侶が灯りの道具として使っていました。
外国人、もしくは帰国子女である僧侶が当時の日本に存在していない「もの」を伝えるには、
「外国の単語のままの発音=唐音」でしか伝えることができなかったのでしょう。
「提灯(ちょうちん)」の読み方、納得できましたか。
私自身はいつも「もやもや」していた謎だったので、
少しすっきりしました。
※諸説あります。
BY 営業部のM
ちなみに、現代の中華語圏では「提灯 ちょうちん」は以下の様に表記します。
台湾:灯籠 タンロン
中国:灯籠 ダァンロォン