「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
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[提灯レポート]2012/11/30
紅葉が見頃の11月某日、新聞の記事でその存在を初めて知ったのがきっかけで、八幡市の石清水八幡宮にほど近い住宅街にある「飛行神社」を訪れました。
神社の境内には、本物の飛行機のプロペラや戦闘機のエンジンが据えられていて、鳥居は何と航空機に使われる事の多いジュラルミン製!!。又、拝殿はギリシャ風で、右手にある神殿を見落としたら神社とはまず思わないでしょう。
後で調べてみると、この「飛行神社」は明治期、カラスが残飯を求めて滑空する姿に、空を飛ぶ機械の発明に大きなヒントを得て、ゴムでプロペラを回転する「カラス型飛行器」の飛行に成功し、日本の飛行機開発の先覚者と呼ばれる二宮忠八さんと言う方が飛行機事故の犠牲者が出ている事に胸を痛め、航空事故の防止、犠牲者の冥福を祈るため、私財を投じて建設された神社でした。
(忠八さんはその後も人が乗れる飛行機の開発を目指し、研究や改良を続けられた、残念ながら、結局、完成を目前にして、ライト兄弟に先を越されてしまい、それ以降は、開発から手を引かれた、との事。)
航空業界では知られた存在で、境内にはキャビンアテンダントなどを目指す受験生らの願い事が書かれた絵馬がすらりと並び、お守りも人気とのこと。
受験生を持つ親として私も合格祈願のお守りを購入し、しっかりと"落ちない"願掛けをしました。
奥に併設された資料館に入ると、大きなプロペラと、御用型の弓張提灯2灯が正面にお出迎え。
ここには、忠八さんの発明に関する資料や寄贈された飛行機のミニチュアなどが沢山展示されているのですが、提灯屋の私が一番ワクワクしたのは「忠八凧」と呼ばれる凧(忠八さんが幼少の頃に考案し作り上げた数々のユニークな凧)のスケッチの中に何と「御神燈」と書かれ、赤で塗られた「提灯凧」を見つけた時でした。
空を飛ぶ提灯かあ・・・。いつも見慣れている提灯が天高く舞い上がっているのを想像すると失笑してしまいました。