「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。
[仕事場だより]2012/04/18
平成23年12月、小舟町大提灯の修復のため、社長を含め4名で、東京浅草の浅草寺に出長作業することになりました。
この小舟町大提灯とは日本橋小舟町が奉納されている提灯です。
「雷門大提灯」と本堂の「志ん橋大提灯」との間に位置する宝蔵門に吊られている大提灯です。この提灯は平成15年に製作され、
8年近くたっています、3個の提灯のなかでもこの提灯は中門の風あたりの強い場所に吊られている少し長型の提灯です。
出張するまえに痛んでいる部分の写真を見て、修復作業の内容と時間を考えていたのですが、現場に行って近くで見ると、
(小舟町)の正面の文字と裏面の文字数の多い部分が広範囲で予想以上に痛みがはげしい状態でした。
予定していた日数でできるのか解らないまま、作業にかかることになりました。この大提灯の修理は下に降ろしての作業が出来ないということと、提灯のサイズの大きさもあり鉄パイプを組んだ頑丈な高い台を用意してもらい、その台に上っての作業になります。
上ってみると普段の作業している環境とは違い、高い所での恐ろしさと提灯の揺れることもあって、なかなか思うようには進すまず、台を移動させながら昇り降りを繰り返し、暗くなるまで作業しましたが、作業日程は1日多くずれこみ 修復作業を終えることができました。
今回痛みが激しく広範囲だった。
正面と裏面の修復をその高さまで登って作業してみて、この宝臓門の場所は近くに建物がなく、「風」の通りがいいため表面からも
裏面からも強い風が当たりやすいのが痛みの原因になつたんじゃないか、と実際に風を受けて体感することでわかりました。
修復作業もなんとか間に合い、 けが人も出ず、無事に終え、
貴重な体験もでき、満感の思いで帰京することできました。
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