提灯探訪ブログ

提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。

[提灯レポート]2012/02/02

提灯との出会い

私がこの会社に入社して間もない頃、友達によく聞かれることがありました。


提灯の字は、どういうふうに書くの?」とか
「蛇腹のようになっている和紙の折り目は、どのようにつけるの?」
「雷門のような大きな提灯の作り方や運搬の方法は?」・・・等
実際、私自身も知らなかったし、事務の仕事なので製作の現場を見た事がなかったので、詳しく説明することが出来なかったのです。

それで、会社の人に話を聞き、教えてもらい、 又、工場に行く機会があったので、製作現場を見にいきました。
提灯が出来るまでは、骨掛け・紙張り・紋入れ・絵付け・文字書き・上下輪を付け油引き・乾燥とそれぞれの工程で仕上がっていくのです。
文字は、火袋が蛇腹になっているので、なぞり書きで、丁寧に書かれてました。
紙を張るのも、蛇腹の折り目を付けるのも、手馴れた職人さんならではの技術で製作されていました。

そこで、提灯の語源・由来を調べてみました。
【提灯は、「手に提げて歩く灯」の意味からの名で「ちょう」「ちん」ともに唐音(宋音)
唐音は、禅宗関係の用語に多く提灯も室町時代に禅家によって普及したものである。
「挑灯」という表記もあるが、これも唐音で「挑」は「かかげる」の意味なのです。
作られ始めた当初は、折り畳みの出来ない木の枠に紙を張った「籠提灯」文禄年間、細い竹で蛇腹の枠にした「箱提灯」が生まれ、提灯を折り畳みの出来る照明具となったそうです。】

あらためて「凄いな」と感心しました。これで友達にも説明する事ができたのです。

その友達から「西国三十三箇所巡りのお寺に行こう」と誘われました。
すでに、本まで買って用意してあるのです。
調べてみると、京都府のお寺だけでも番外を入れた12箇所。
その中に京都市のお寺は、8箇所もあり結構な数を占めているのです。
私達は、急がずゆっくりと気楽に廻ることにしました。

 まず最初は、16番清水寺から21番穴太寺・13番石山寺・14番三井寺・24番中山寺・26番一乗寺・・・を参拝!
そして、昨年の8月は、友達の子供も行ってみたいということから、夏休みに30番宝厳寺(竹生島)彦根から船に乗って竹生島迄、これが思いのほか楽しかったので大喜びでした。img_1498327_57879139_3[1].jpg

次に11月には、31番長命寺・八百八段の長い石段を登るのです。
この時、子供は一段飛ばしでとんとんと身軽に登っています。最初は、目の前に壁のごとく石段しか見えず、どうなる事かと不安でしたが、スムースに登れ安心しました。
今のところ8箇所のお寺に行きましたが、全て御堂の中には、静かな中にずっしりと重量感のある立派な提灯が吊られていました。誰の目にも留まるところです。
この中には、当社が製作した提灯(石山寺・一乗寺)もあり、じっくりと眺めて来ました。
丁寧に作られた提灯が、それぞれの場所で存在感を出しているのを見て嬉しく思いました。
一乗寺15.jpg
まだまだ、いくつかの当社の提灯と出会えると思うので、参拝を兼ね、それを自分の目で見て廻るのが楽しみです。

A・T