「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
提灯や祭りについていろいろなんでも話しています。
[提灯を使った言葉集]2012/01/18
先日、本屋さんに立ち寄った時ふと,ことわざの本が目に入り、面白そうだったので買ってみました。
これが読みだすと意外に興味深く、「へぇ そーなんだ」「ああ、なるほど!」とおどろいたり、ニヤニヤしたりで、ヘタな小説を読むより面白いと思いました。
この日本の「ことわざ」は江戸時代に庶民の間から多く生まれたといわれ、しかも「書かれた知恵」ではなく、人々の間で口から口へ伝わったので、「すぐに分かる言いまわし」「使いやすい言葉」が身上とされてきたとか。また、推理や究明や判断は無く、いきなり「結論」ばかりが累積しているのが特色といったところですね。
今回は「提灯(ちょうちん)」をつかったことわざを集めてみました。
「提灯につり鐘」
有名なことわざですですね。
つり合わない事や、比べ物にならないもののたとえ。
紙でできている小さく軽い提灯と、大きくて重いつり鐘ではその違いが歴然としています。
同じ意味のことわざで「月とすっぽん」「雪と炭」などがあります。
この言葉はとてもよく耳にしますが、以下はあまり知られていないことわざを紹介します。
「提灯持ちは先に立て」
明かりをもったものが、一番先に行けば他の者は足元が明るいので歩きやすい。
指導者は常に先頭に立って手本を示すべきであるということ。
「月夜の提灯にも外聞」
実際には不必要な事でも世間への見栄の為には必要な場合もあるということ。
現代の例で例えると、散歩がてらに歩いて行ける近いところでも、ブランド自転車に乗って行ったり、若い人が夜でも、本来は紫外線除けの為のサングラスを、掛けたりするのは全て見栄の為でしょう。
「闇夜に提灯 くもりに笠」
闇夜には提灯を忘れずに持って出かけ、曇っていたら笠を持って出かける意から。
何事も用心が大切であるということ。
この様に商人や農民や職人たちの間から生まれたことわざは、今日の一般庶民の間にも充分通用するもので、まだまだ生きている言葉と言っていいし、社会が複雑化しても人間の本質が変わらぬ限り、今後もこの言葉は生き続けるということでしょうね。
以上、提灯製作から離れた提灯のお話でした。(;^◇^;)ゝ
製作部 T-Yokoyama