「提灯屋さん」責任編集。大提灯、祭り提灯製造と紹介。
魚吹八幡神社の秋祭りは、播磨地方でも最大の、24ヶ村1万数千戸の氏子を抱える壮大な祭りです。「提灯祭り」といわれるように、祭りの呼び物は宵宮の提灯行列と、桜門前で繰り広げられる、宮入前の提灯練りです。各地区から宮を目指して連なってきた提灯行列は、参堂をまるで光の波のようにゆるやかに進んで行きます。桜門前にさしかかると一転、提灯を掲げた青竹を空高く激しく叩き合わせます。カンカンと竹が打ち鳴らされる音、火を吹いて焼け落ちる提灯、練り子の掛け声と群集のどよめき。1基残らず壊されてもなお、何度も竹をぶつけあい、伊勢音頭をうたいながら円陣になって地をつく所作を繰り返します。境内からは釣鐘がゴンゴンと鳴り響き、祭りの興奮は最高潮に達します。
提灯祭りの由来は、三柱の神(神功皇后、応神天皇、玉依姫命)が乗り移られた三基の神輿が、お旅所に渡御する道中の御神灯にと、御旅提灯を差し出したのがはじまりだとか。それが戦後徐々に過激になり、宮入前に激しい練りを見せるようになったといわれています。氏子村のうち、提灯を受け持つのは浜手の七ヶ村。以前は古くなった家庭のお迎え提灯を使ったそうですが、今では真新しい専用の提灯が数百個も用意されます。